ーー独裁政治で得られるもの
今日、ドラえもんの『のび太の地底国』というエピソードを視聴しました。
毎回ドラえもんから端を発するネタの仕入れが多いように感じますが、きっかけは何でもいいのです。
アニメからでも映画ドラマからでも。
アニメや漫画、映画などのサブカルチャーから何か学ぶことは別におかしいことではありません。
むしろアニメから得られるものは多いとさえ感じています。
そして今回見たのは、『のび太国独裁エピソード』
これは私が勝手に作った言葉で、のび太が政権を握り、国民に圧政を敷くまでの堕落・腐敗っぷりを見事に風刺的に描いたエピソード回、まさにのび太らしいオチですね。
まずはストーリーの全体像を掴んでいただくために詳細なあらすじを説明します。
のび太は毎日通う学校に嫌気がさし、のびのびと羽を伸ばせる自由な空間が欲しいとドラえもんにせがみます。
同じく、ジャイアンスネ夫も資材置き場にされてしまった空き地で遊べず、途方にくれていました。
曰く、「日本の国土が狭すぎる」(by出来杉くん)
そして土地の拡張計画に打って出たのがドラえもんでした。
地底につながる穴を掘り当てる道具を出し、のび太は1つの洞穴を発見しました。
そこは長く続く深いトンネル。
自分たちだけの土地、国を作るには十分すぎるほどの敷地面積がありました。
そしてジャイアンスネ夫、静香、出来杉ら4人を加え、自分たちの衣食住を確保するための下準備を整えました。
家をリフォームしたり道路を拡張したり…
出来杉が提案した『都市計画』に基づき、みんなは自分たちが快適に過ごせるパーソナルスペースを作り上げてしまったのでした。
しかし、前々から訝しんでいたジャイアンが自分たちの国問わず乱暴を働くため、のび太は自警団を結成し、独自の法律を制定しました。
ジャイアンを捕縛し、懲役10分の刑罰を課しました。
こうして法律の土台が出来上がり、国会議事堂で出来杉、静香、スネ夫、ドラえもんが出席し、のび太が首相席に登壇。
のび太は自分たちの国をよくするための施策を唱え、それに4人はノーリアクションで賛同。
このような経緯を経て、『のび太国(のび太が統治する国)』が建国され、安息の日々は約束される…かのように思えました。
しかしそれはつめの甘い判断でした。
のび太は次第に自分の地位や職権を濫用するようになり、
出来杉を文部科学大臣に任命し、全国民の宿題をやるように命令。
さらにスネ夫を遊び大臣に任命し、スネ夫の玩具や遊び道具を大量にコピーさせ、娯楽の幅を広げました。
最後に残る5人に対して労働の義務を課し、農作に駆り出しました。
もちろん、5人の不満は募っていくばかり。
対するのび太は、自分の家でゴロゴロ寝そべっています。
5人の膨れ上がった不満が爆発し、ついにデモクラシーを計画。
のび太の周りを取り囲む自警団を排除し、のび太独裁首相を失脚させました。
のび太はその場で観念し、せっかく建立したのび太の銅像も崩れ落ち、元の世界へと帰ってきてしまいました。
これはのび太の慢心が招いた結果と言えるでしょう。
もちろん自業自得なのですが、むしろのび太は独裁者に成り果てるといつかしっぺ返しを喰らってしまう、というテンプレの例を見事に示してくれました。
似たエピソードの1つ『独裁スイッチ』も同じです。
排除したい相手を手当たり次第に消し、自分だけが満足できる世の中を作ろうとした結果、自分が1人で生きていくための手段(生きがい)がなくなってしまった。(食事や娯楽など)
つまり、独裁者の『独り』という表現は半ば言葉のあやで、独裁者は周りに人がいない状況だとそもそも独裁ができないのです。
独裁スイッチはむしろ独裁者を懲らしめるための道具で、ぜひ某総書記に見てもらいたいエピソードですね。
そんなこんなで、ドラえもんから得られた深い教訓2つでした。
ここまで読んでくださりありがとうございました。